僕が知った君の秘密

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 涼平はあれで有能な男だと雅樹は思っている。  今日は何かに気を取られ仕事に手がついていなかったようだが、いつもだったら残業などしなくても定時まで自分仕事を終えるだけの要領の良さは持ち合わせている。 (今すぐ大久保に会いたいな)  自分でも何故だか分からないが、そう思った。  峰晴とのやりとりは予想していた事とは言え雅樹に大きな打撃を与えた。  妹と義父を信じたかった。 疑った自分がバカだったのだと思いたかったのに。  会社の前まで来ると、ちょうど涼平が仕事を終え、出てくるところであった。  これはタイミングがいいと言っていいのだろうか?
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