君と過ごす一夜

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 もうかれこれ挙式も合わせて四時間も二人のツーショットを見続けているのだ。  いい加減、我慢の限界を感じていた。  妹に罪はない。むしろ自分の夫になった男が兄と付き合っていたと知れば傷つくのは彼女だろう。  あんなに綺麗で(兄の雅樹から見ても綺麗だと思うぐらいに)短大時代はモデルをしていたくらい抜群のプロポーションを持つ自慢の妹なのになんでよりによって峰晴なんかに引っかかってしまったのだろう?  あんな男と妹を引き合わせてしまった自分に激しい怒りを覚えた。  同期入社した峰晴は大学を一浪して入ったので雅樹より一つ年上だ。 人当たりがよく明るい峰晴は甘いマスクも手伝って会社でもプライベートでも良くモテていた。
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