火曜の朝 (佐川京子&武田健治)

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   午前8時  病棟では朝の申し送りが始まろうとしていた  「おはようございます  それでは本日の申し送りを始めます よろしくお願いします  今日は手術が2件入っています 担当の・・・」  看護師長が淡々と話をする中 そわそわとして落ち着きのない看護師がいた  今年入ったばかりの新人の看護師  鈴白藍子23歳である  「あ あのー すみません」  「どうしたの? 鈴白さん」  「あのートイレ行っていいですか?」  師長は呆れ顔で  「はぁー しょうがないわね 早くいってらっしゃい  今度からは始まる前に済ませて置くように!  いいわね」  「は~い」  と元気に返事をし 藍子は急いでトイレへと駆けていった  「最近の若い子は気楽でいいわね」  「ホントね」  先輩看護師達がそれぞれに陰口を言っていると 師長が  「はい 静かに! それでは続きを始めます  佐川さん 鈴白さんにこれからの内容を後で伝えて置いてください  お願いしますね」  そう京子に告げてから 再び師長の申し送りが始まった  
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