月曜の昼 (鈴木賢次)

2/3
前へ
/97ページ
次へ
   涼しい風が心地よく吹き渡る 秋晴れの正午  公園は弁当を食べるOLで賑わっていた  そんな中  ハンカチを片手に額の汗を拭きながら  木陰のベンチを探している男がいた  食品会社に中途入社したばかりの営業マン  鈴木賢次20歳である  まさにメタボリックを絵に描いたように膨れたお腹は  今にもスーツのボタンを弾き飛ばしそうだった  このお腹には  ”美味しい当社のチョコと夢が詰まっている”  というのが賢次のお決まりのセールストーク  これでお客の心を鷲掴みにしているのだ  
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加