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朝10時――
伊名達は朝ご飯(ベーコンエッグに野菜のコンソメスープ。ただし、伊名はトーストのみ)を食べ終えた後、早い作業で仕事の準備を済ましていた。
伊名は黒のスーツで身を包んでいて、春は白のスーツに身を包んでいた。
伊名は春に聞いた。
「で?今日依頼入ってる?入ってなかったらすべからずうれしかったんだけど……」
いかにも今日は仕事が入っているような言い草だ。そして当たり前のように伊名の微かな期待を裏切る春。
「うん。入ってるよ。二つ」
伊名は、はぁと少し肩を落とした後、その二つの依頼の内容も聞いた。
「成る程……一つは自分が指名手配されてて命を狙われているから今日だけ守って欲しいという依頼と、二つ目は自分の財産を狙っているという奴らが殺し屋を雇っていて命を狙われているから助けて欲しい……か。……春。二つ目の依頼って今日だけ?」
「うん。今日だけ。」
伊名は少し悩む……
「う~ん……一つ目の方がやりやすそうだけど……今日一日ってのが引っかかんだよな~……でも二つ目の方も今日だけってのはな~」
どうやら伊名はどちらかを決めたようで靴を履き始める。
「結局どっちにしたの?」
春は伊名に聞いた。
伊名は靴を履き終え言う。
「一つ目だ。もしかしたら大金を稼げるかもしれないしな。」
伊名の顔には少し悪どい笑みがあった。
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