プロローグ

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「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」  ゲシゲシゲシゲシ  春が少し過ぎた六月。  日本のどっかにある学校、桜花高校の二階廊下で、唸り声と蹴られる音が木霊する。 「す、すいませんでしたっ! 次は気をつけます! だからもう許してください!」 「次? 次は無いのよグズッ! だから今ここでアンタは無に返るの!」  蹴られ続ける音とともに、情けなく声を出す男子生徒。  そんな彼を、容赦ない言葉と攻撃で攻め立てる一人の少女。 「そ、そんな! ただ肩がぶつかっただけで…」  情けないながらも弱々しく反論する名も無き生徒。しかし顔は恐怖によってひきつっている。彼は彼女の恐ろしさを知っているのだ。
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