プロローグ

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 シロは廊下に転がった焼きそばパンを悲しそうに見つめ、キッと生徒に向き直る。 「さあどうしてくれる? お前のぶつかった『だけ』で、わたしは今にも餓死しそうだ」  綺麗な瞳を凶悪に吊り上げて睨むシロ。その光景は正に、餌を狙った猛獣のようだ。  周りには生徒たちがたくさんいるのだが、桜花高校の生徒たちは皆、この天使の容姿をした悪魔の恐ろしさを知っているので誰も止めない。  いや、止められない。  止めに行ったが最後、自分も餌食にされるのは目に見えているのだ。
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