机上の黒き翼

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机上の黒き翼

  ━━━大衆酒場━━━   ビィーッビィーッビィーッビィーッ!   酒場を埋め尽くす音の中で、息の漏れる音がかきけされる   バンッ!   駆けつけたソルフィンは、いの一番に机上に立っている男に目をやった   ソルフィン『・・・・貴様・・・』   ユグト『ソルフィンさん!・・あ・・・あの男・・・』   ソルフィン『竜人族亜種か』   ノースはアルヴィの首をギリギリと締め付けながら二人の方を向き舌打ちした   黒い翼を生やしたノースの姿に、震える体を止めようとユグトは唇を強く噛む。過去のトラウマが体を締め付けた   怯える自分に怒る自分がいる・・・・しかしどうしようもなく体は意思に反し震えを激しく増してゆく   しかしユグトの唇から血が滴り、現実的な痛みが彼の心に少しの安らぎを与えた   ジッとしたまま視線だけを違う方へ移行する・・・・   机上の男の他三人の男・・・・そして―――   ユグト『ソルフィンさん!!・・・・』   ソルフィン『・・・・イルアルド!!』   ユグトの視線にソルフィンも目を向けた 壁に座ったままもたれ掛かるイルアルドがいた。彼の腕輪からも光が点滅し音が響いていた   ユグトはイルアルドの下へ駆けつけ、意識を確認した   イルアルド『だ・・じょ・・ぶだ・・・・・・・・アルヴィは?』   ユグト『アルヴィさんなら・・・・まだ、大丈夫です』   ソルフィンはノースへ刃を向け、話した   ソルフィン『離せ・・・・』   ノース『ハイハイ』   ドサッ!   ノースはアルヴィへ興味を無くしたように手をパッと離した   アルヴィは床に落ち、首を抑え蒸せながらノースを見る しかしノースの警戒心は既にソルフィンにしかなかった   アルヴィは言えようもない悔しさを覚えた   ノース『16・・・・ソルフィンか。あんたとはやりたかったんだよなぁ・・・・帰る前に』     ノース『殺しといてやるぜぇええ!!』   机から飛び上がり、素早くソルフィンの後ろへ回り込むノース   ソルフィン(はぇ…―――)   ノース『おせぇ』   ノースは超音波を発した   ギィィィイイイイッ!   ソルフィン『ぐっ・・・・なんだ?』   至近距離で鳴る怪音に怯むソルフィン   ドグッ!!   ガンッ!   背中を蹴られ机にぶつかるソルフィン   ソルフィン『いっ・・て』   ブアッ!   ソルフィン『!!』   ザグンッ!!   間一髪、頭上からの槍をかわす   ソルフィン『・・・・』 ノース『くくく』
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