―第壱章―

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―ああいう奴らがこの世からいなくなったら俺達はどうなるんだろうな― 愉快犯の銀行強盗犯に変装してインタビューアーとして鷹山と潜入し大下は人質の女性社員を助けるチャンスを伺いながら犯人達の相手をしていた。 運転手が信号で止まったことで犯人達ともめだしたところで鷹山に目で合図を送り取り押さえようとしたところ人質の女性が自分で車の鍵を開け飛び出していった。 止める間もなく犯人達と格闘していた大下と鷹山の目の前で女性は車に跳ねられてしまった。 大下にはその場面がまるでスローモーションのように流れていった。 その後犯人達を逮捕し覆面車に戻る大下と鷹山に記者とカメラマンが群がったが二人は終始無言でその場を後にした。 署に戻り人質の女性が亡くなったことを聞き大下は表情を歪める。 近藤課長の慰めの言葉など頭の中にははいっていなかった。 自分の力のなさに悔しさが残る。 安心させるためウインクしたときの少し照れたように微笑み俯いた彼女の表情が大下の脳裏に焼き付いて離れない。
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