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青空の下、歩いていたのに。
綺麗な桜並木の中にいたのに。
どうして、今、【私】の目の前は真っ暗なんだろう。
【――なあ、あんた。おい】
ぼんやりしていたところに、また、声がかけられた。
【私】は、緩慢に顔をあげる。
いつの間にか、目の前に、誰かがいた。
すっと背を伸ばして、立っている。
「……どちら様ですか?」
目の前の人影を、見定める。【私】とそっくりおなじくらいの背格好だけど、風に揺れる黒髪は短い。
ふと、気付く。
――こちらは、裏側。白い幕の向こうの世界だ――
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