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どうしてみんなには見えないのだろう、と思っていた。
瞼を一度閉じて開いた裏側の世界。薄い幕をそうっと捲った向こう側。
そちらの世界には、あらゆる雑多なものが暮らしている。
たとえば、ひとに『幽霊』と呼ばれるもの。
たとえば、ひとに『妖怪』と呼ばれるもの。
たとえば、ひとに『精霊』と呼ばれるもの。
色々な呼ばれ方をされるけれど、裏の世界においてそれらに区別はなく、【私】にとってもそうだった。
それらは人間の姿をしていたり、動物の姿をしていたりする。
それらはきらきらした光の集まりだったり、真っ黒い影だったりもする。
そしてそれらは、【私】に時々話しかけてくる。直接、心に『声』が響くこともあれば、耳に「音」が届くこともある。
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