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ヘレンはシェーレに連れられ、走れるだけ走る。 牢兵は追ってこなかった。 森を抜けると、大きな湖が見えてきた。 ヘレンは、すぐにその水を手ですくって飲みはじめる。 そんなヘレンの様子に安心したのかシェーレは、 木のふもとで横になり眠りについた。 ヘレンも気を失ったかのようにシェーレの隣で、寝てしまった。 脱獄して1日目の朝。 ヘレンは目を覚まし、今の状況を頭の中で整理しはじめる。 シェーレは、ヘレンが起きたことに気付いたが、 昨日の一件が気に入らなかったらしく何も言わなかった。 結構根にもつタイプである。 昨日は、真っ暗だったが、一面に広がってる景色はのどかでとても綺麗だった。 シェーレは無言のまま、地図を広げた。 今いる場所は、牢からそんなに遠くない場所にある。 木の実をとって朝食にし、ヘレンの足の重りをシェーレは石でくだいてくれた。 ヘレンは、うれしそうに湖のほとりへと歩く。 やっと自由になれた!という満足感でいっぱいだったのである。 シェーレは、これからのことについて考えていた。
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