洞窟

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洞窟

海の見える岩場に、小さな洞窟があった。 そこは、隠れ家。 たぶんイギリスの中で、一番安全地帯だろう。 誰が見ても、そこは、ただの岩場でしかないはずである。 洞窟にはいると、シェーレは落ちていた木に布をまき火をつけた。 明るくなると、そこには、いくつもの穴が開いているのがわかる。 洞窟内は迷路のようになっていた。 誰かが間違って入ったなら、確実に迷い命を落とすだろう。 ヘレンは必死でシェーレの後を追った。 どんどん進んでいくと、途中に鍵つきの扉が現われた。 シェーレは、ポケットから鍵を取り出すと、扉を開く。 道はまだつづいている。 開けては閉めるを何度繰り返しただろう。 「ここだ」とシェーレは扉を指さした。
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