第二章

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翌日、三人は母の見舞いにいってから軍へ向かうことにした。 「お母さん、意識戻ったのかな」 レフィアが不安そうに言う。 「大丈夫だよ。即死するような病気じゃないんだから」 クランツが微笑んだ。 家から病院までそう遠くはなかったので、2、30分歩いていると着いた。 やがて、クランツが母のいる病室のドアをあける。 「母さん」 すると、一人の女がベッドに横たわったまま顔をこちらに向けた。 「フィンレイ・・・・ティトレイ・・・・レックスも来てくれたのね」 母の意識は戻っていた。 「お母さん!」 レフィアがベッドへ駆け寄る。あとの二人も続いた。 「お母さん、大丈夫?」 「大丈夫よ。心配かけてごめんね」 クランツがううん、と首を振る。 「いいんだよ。あのね。俺達、レックスと一緒に王都で働くことにしたんだ」 「王都で!?まさか・・・・軍隊なんて冗談はやめなさいよ」 「・・・・そのまさかよ。ほかに働く所がないんだもの。でも人の役に立つことだから、良いわよね?この所戦争も起きてないし」 カトレアは暫く黙ってしまったが、やがて口を開いた。 「怪我は絶対にするんじゃないわよ。貴方達は剣の腕はいい。でもまだ幼すぎる。・・・・お母さんも頑張るから」 次に口を開いたのはクランツだった。 「ああ。わかってる。あともう1ついっておかなきゃいけないことがあるんだ」 そういうと、クランツはイヤリングを着けた。レフィアもそれに続いて、チョーカーをつけ、髪を結った。 「俺達は、この姿で王都ふ向かう。名前も変えてさ」 「そうね・・・・いい考えだわ。偽名を教えて」 「俺はクランツ。そして妹のレフィア」 「お互い頑張りましょう。レックス、二人をお願いね」 レックスが頷く。 「はい。おばさんも早く元気になってくださいね」 「それじゃ、また来るからね」 クランツが笑顔で言った。 「ええ。楽しみにしてるわ」 三人が出ていってしまうと、カトレアは小さなため息をついた。 「ごめんね。私のせいで。ごめんね、ごめんね───」 窓から入るそよ風達が、ウェーブのかかった美しいブルーの髪で遊んでいるようだった。
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