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「ご臨終です」
医師から最悪の言葉を告げられた。
「………そんな……!」
クランツはただ、呆然と立ち尽していた。
──彼等の母カトレアは、2日程前から意識もなく薬も受け付けず、いつ逝ってもおかしくない状態だった。
だが、兄妹が容態を聞きつけて慌てて病室へ駆け込んだ数分後、安心したように逝ってしまったのだ───。
「母さん……冗談はやめてくれよ…?」
医師が立ち去ると、クランツが呟いた。
「…目を開けてよ…寝たフリしても分かるわよ!………嫌よ、お母さーん‼」
レフィアが母のベッドに突っ伏す。
クランツの瞳からも、涙が溢れていた。
「まだ…まだ、何にもしてあげてないじゃないか!…今まで育ててくれたお礼もいってない。軍で出世して、大人になった姿も見せてない!それなのに……早すぎるよ、お別れなんて…!」
クランツの声は震えていた。
レフィアも、しばらくの間泣きやむ事は無かった。
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