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「待たせちゃった? ごめん」
「メイ先輩こそ、そんな急がなくて良かったのに。息切れしてる」
体力ないな、あたし。
「運動不足じゃないですか? セ・ン・パイ」
なっ……!?
悠人の肩越しから、どうしてだか今あたしが一番見たくないと思っている人物がひょっこりと顔を覗かせる。
ぴったりと悠人に寄り添うような近さで、あたしの事を見て何となく勝ち誇ったような顔してると思ってしまうのは、考え過ぎだろうか。
それでも不愉快極まりない。
「悠人、ちょっと」
あたしは小声で呼ぶと悠人をミカちゃんから引き剥がした。
「ねぇ、悠人くん。素朴な疑問なんだけど、訊いてもいいかしら? なんでこの子が、一緒に居るのかなぁ!?」
一応気を遣ってミカちゃんには聞こえないように、それでも声には少しの苛立ちを乗せて、悠人に詰め寄る。
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