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あたしは2人よりも年上なんだから。
こんなことは、いちいち目くじら立てて騒ぎ立てるほどのことじゃない。
悠人が言うように、今日だけのことなんだから――。
だけど。
そう、どんなに自分に言い聞かせてみても。
こんな状況で面白いわけないじゃない。
それに、いつまでも気づかない悠人も悠人よ。
こんなことなら悠人なんか待ってないで、さっさと一人で帰った方が良かったわ。
なんであたしの方が逃げたい気分にならなきゃいけないのか、全然納得いかないけど。
それでもここに突っ立っているよりはいくらかマシだったはず。
……寄ってっちゃおうかな。
そんなことを思った途端、書店が目に留まってあたしの足は止まってしまった。
欲しい本があったんだよね。
2人の背中が一歩ずつ離れていくのを眺めながら、そんなことを考えてしまってる。
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