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いいや、寄っちゃお。
どうせ気付きもしないんだから。
決断したら即実行。
あたしは書店の入り口目指して方向を変えた。
「ストーップ」
えっ!?
いきなりグイッと腕を引っ張られてバランスを崩しそうになったところを、後ろから抱きとめられる。
「黙ってどこ行く気?」
「あ……、悠人」
背後から両肩をガッチリと捕まえられて身動き出来ないあたしが首だけで振り返ると、困ったような悠人の顔がすぐ近くにあった。
「こんなとこじゃ迷子放送も頼めないんだから、はぐれたらダメでしょ」
なんですぐ気付くのよ。
慌てて歩道に目をやると、少し先に取り残された格好のミカちゃんがジッとこっちを見てるのが見えた。
「メイ先輩、急にいなくなろうとするんだから。焦った」
「だって」
こんなにすぐ気付くなんて、思わなかったんだもの。
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