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「欲しい本を、急に思い出したのよ」
こんなすぐわかるような言い訳……。
まぁ、半分は本当だけど。
「そっか。ゴメン、メイ先輩」
「えっ!?」
「本屋、寄ってく?」
なんで悠人が謝るんだろう。
「あー、うん。でも先帰ってもいいわよ」
本屋まで着いて来られてミカちゃんにベタベタされてるのなんて、見たくもない。
「悠人センパーイ。なにやってるんですか? 」
しびれを切らしたのか、ミカちゃんは駆け寄ってあたし達の間に割り入ってきた。
「あ、悪い。メイ先輩が本屋に寄りたいって言うから」
「ふぅん。じゃあ先帰りましょうよ、悠人センパイ」
悠人の袖口をツンツンと引っ張りながら、ミカちゃんは軽く甘えた声で誘う。
本当……見事に予想を裏切らない子よね、あなたって。
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