7人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ、うん。そうだな」
ほら……そんなもんよね。
別に何も期待してたわけじゃないから。
寂しくなったりなんかしないわ。
ただミカちゃんがあんまり嬉しそうに笑うのが、ちょっと勘に障るだけ。
「じゃあ。また明日、部活でな」
えっ?
「えっ?」
あたしの心の声とミカちゃんの声が、ピッタリと重なった。
「なにその顔」
多分同じように驚いた顔をしてるんだろうけど、悠人はミカちゃんじゃなくあたしの方を真っ直ぐに見た。
「メイ先輩と帰ってるんだよ? オレ。メイ先輩を置いて先帰るワケないでしょ」
「……っ」
なによ、それ。
そんな嬉しいこと言ってくれちゃったって。
手放しで嬉しそうな顔なんてあたし、出来ないんだからね……。
最初のコメントを投稿しよう!