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―― ――― 「メイ先輩」  悠人……。  聞き慣れた声で呼ばれて、振り向くと後側ドアから覗く他でもない悠人の姿。  目が合うと、パァッと笑顔が咲く。  普段なら『かわいいな』とかって、つい見とれちゃうところなのに。  毎日来るわけじゃないのに今日来るなんて、タイミング良すぎるのよ。  ちょっと待って。と手で合図しながら席を立つと、廊下に向かう途中の高橋の席に立ち寄った。 「ちょっ、オマエ。来んなよなぁ」  悠人を待たせたまま高橋の席までやって来たあたしに、案の定『やっぱり来たか』って顔して高橋は小声ながら笑って非難した。 「だって、どうしても確認したくなったんだもん」  
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