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「だからって、オマエねぇ……まぁ、言い出したのはオレだから仕方ねぇか」  わざと情けなく笑いながら高橋は大げさにため息をついてみせた。 「視線の槍が刺さってんじゃないだろうな」 「大丈夫よ、刺さっても死んだりしないから安心して」 「当たり前だ」  そんな物騒な会話を交わしながら。  いかにも楽しそうに見えるだろうか?  そんなことを思いながら、意を決して。  気づかれないように、こっそりと、悠人の方を伺った。  ドクン!!  ――……悠人。  なんて……。  なんて顔してるのよ。  
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