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  「相田くん、なんだって?」  悠人を見送って戻ったあたしに遙香が間髪を容(い)れず訊いてきた。  心配してくれてるんだな。 「今日一緒に帰ろうって」 「わざわざ誘いに来るところなんか、かわいいのにね」  それは暗に、高橋を見るあの目はかわいくないって意味ね。  視界に入りたくないって言った、わかりたくもない遙香の気持ちがわかった気がするから。 「遙香も高橋誘ってみたら?」  無理やり話題を変えてみる。 「なんでいきなりそんな話になるのよっ」 「だって行動起こさなきゃ進展しないわよ? あれで案外モテるんだから、高橋」  慌てて赤くなった遙香にとりあえず突っ込みを入れるのは控えて、たまにはあたしが真面目なアドバイス。 「経験者は語る? 彼が人気があるのはわたしだって知ってるわよ」  
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