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  「ああ、じゃあ一緒に帰るか? 槙田」 「えっ? ……わたし!?」  いきなり自分の名前が出てきた事に遙香は目を見開いて驚いてる。 「部活ちょっと顔出すから、槙田が待てるならだけど」 「あ、うん。待つのは大丈夫だけど」 「だけど?」 「え、ううん、大丈夫。高橋くんはいいの?」  遙香ったら、珍しいくらい焦ってる。  よく見ると頬をほんのり赤く染めちゃったりして。 「いいのって何がだよ。オレが誘ってんのに」  だけど、女心にちょっとニブい高橋は気づく素振りも見せずに笑ってる。  あたしはそんな2人のやり取りがあんまりおかしくて、コッソリ笑いをかみ殺した。  もしかして、ひょうたんから駒が出たりしないかしら?  なんて考えながら。  
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