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―― ――― 「どうしよう、芽依」  放課後、他のクラスメート達の姿がすっかり消えた教室で遥香が小声で呟く。  いつもの落ち着きはどこへやら。  誰もいないことをいいことにあたし達は窓際の席をちょっと拝借して。  あたしは後ろに座る遥香の方に半分体を向けながら。  妙に考え込んだり、かと思ったら急に少し赤くなって思い出し笑いを浮かべてみたり。  遥香の表情がとにかく忙しく変わるのをじっと観察してた。 「ねぇ遥香、ちょっと落ち着こうよ」  いつもならこれは遥香のセリフなんだけど……。  あたしは立場が逆転してるいつもの状況を思い出してフッと笑いが零(こぼ)れた。 「そ、そうよね」  どんな時も冷静沈着だと思ってた遥香も、こと恋愛となるとこんなにソワソワしたりするんだ。  そんな普通のことに、なんだか少し安心してしまう。  
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