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「ん?」
レンジを背に雑誌を読んでいたKはYに言われて振り向いた。
「はんぎゃゃぁあああ‼‼」
足元でじゃれ付くメグちゃんを構いながら黙々とアーケードモードを勝ち進む私の耳に届いたのはそんな雄叫びだった。
「って‼で⁉えぇぇ~~‼⁉」
追う様にYの悲鳴も聞こえた。
ただ事ではないと察した私。
「どうした‼鏡でも見たか⁉」
コントローラーを投げ、立ち上がった私の目に入った光景は一生忘れられない物だった。
レンジから白と青の煙が溢れ、内部では踊るアルミ袋とそれを取り囲む様に走る青い稲妻。
蒼い焔がレンジ内部を焦がす。
その前で目を見開き、ただただ雄叫びを上げるK。
Kの後ろで驚きの声を上げつつも状況を楽しんでいる様な笑顔のY。
パニック状態で部屋中を駆け回るメグちゃん。
The very 獄絵図だ。
「止めろ‼死ぬ気で止めろ‼」
Yが叫んだ。
「熱っ‼アッツ‼‼」
Kは慌てて燃え盛るレンジのスイッチを切った。
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