第三章

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    『………………さん…………………お客さん!…………もう終点だよ。』       運転手の声で少年は飛び起きた。       どうやら寝過ごしてしまったらしい………         少年は仕方なく、バスを降り、またバスを待った……        時刻表を見るともう夜中だったのでバスはもうない様だった……………         少年は近くに止まってあったタクシーに乗り込み、家に帰った…………           タクシーの中で少年は考えた………         どうして自分が異世界とこの世界を行き来しなければならないのかと……………      少年は考えても考えても答えが見い出せなかった…………           深く考えている間にタクシーは家の前に着いた。       少年は家族と顔を合わせることなく自室に籠り、ゾンビと化してしまった友達について考えていた………         (…………普通、家族がいなくなったら、警察に届け出るよな……………)       少年は部屋を出て、電話のあるリビングへと向かった………       プルプルプル       ガチャ   『もしもし??』       少年が電話をかけた先はあの友達の家であった…………          警察に届け出たのか、と少年が聞くと友達の親は、そんな子はいない、と存在を否定してきた…………         どうやら魂の世界で白いものを追いかけなかったらこっちの世界では存在どころか、皆の記憶からも抹消されるらしい………………         少年は気が狂いそうだった……………       また魂の世界で友達に出会うのではないか、自分もこの世界から抹消されるのではないか……………と。    
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