退屈

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今日も朝から研究所周辺の警備だ。 俺は寝ぼけたまま、宿舎からでた。 七月の太陽がギラギラ光っている。 暑っ! 俺がそんな事を思っていると、同じ警備チームのメンバーが話し掛けてきた。 「明!今日もあついな!」 「ああ。参っちまうよ。この暑さには。研究所の中を警備したい。」 俺は持っていたタオルで、すぐに湧き出てくる汗を拭きながらそういうと、ため息をついた。 「言えてる!あっちは冷房が効いてるからな!」 「あぁ、もう警備なんてやりたくないよ。」 そういって俺は深い溜め息をついた。 夜 やっと警備が終わる。 夕食を食べに、みんなは食堂に向かった。 今日もいつもと同じで何も起こらず、平和だった。 平和なのはとてもいいことだ。 だけど、異常一つない平和な日々が続いては、俺達がいる意味が無くなってしまう。 何故俺はこんな意味のない事をさせられるんだ? 俺はこんな退屈な仕事を望んで、軍に入ったんじゃない! ハァ。 明はため息をつくと、薄暗くなっていく雲一つない空を見上げながら呟いた。 ……………軍隊なんて、辞めようかな…………。 その時! 「明!早くいこうぜ!」 突然後ろから、仲間の一人に声をかけられた。 「おう。今から行く!」 そういって俺は食堂へ向かった。
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