退屈

7/10
前へ
/596ページ
次へ
明は兵舎の隣に置いてあったハンヴィー高機動車のエンジンをかけ、アクセルを踏んだ。 ハンヴィーの後部座席には大量の銃や弾薬、ロケットランチャー等の重火器で、埋めつくされていた。 こんなにたくさん何に使うんだろう? 俺はそんな疑問を抱きながら、ハンヴィー高機動車を走らせた。 研究所がある施設は軍の警備基地の中心部にあり、5~6㍍はある厚いコンクリートの壁で囲まれていた。 何か用があるときは、ヘリコプター等で上から入るか、壁をくり抜いて作ったような、たった一つの地上出入口を使う事になっていた。 出入口には警備兵が15人程いた。 全員武装している。 俺が出入口に行くと、警備兵が、 「何の用だ?」 と、嫌な目つきできいてきた。 「ハンヴィーを研究所へ運べと言われたんで、持ってきました。通して下さい。」 俺は心の中で「黙れこのマヌケ!」と呟きながら、警備兵にいった。 「誰の命令だ?」 警備兵がそう聞くと同時に俺は即座に答えた。 「ライアン少尉。」 すると、警備兵はどこかへ電話してから 「ここから左にまっすぐ行ったところの駐車場に止めろ。あと、他の場所に行ったりするな。」 といった。 俺は、早いとこハンヴィーを置いて、寝たいと思いながら、アクセルを踏んだ。
/596ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4333人が本棚に入れています
本棚に追加