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一人の青年が雨宿りをしている。
彼はなぜこんなところにいるのだろうか?
今日はクリスマス。
こんな壊滅した町の入り口に居たところで、何も良いことは無いだろう。
さっさと少年はドームシティに行って、クリスマスを楽しむべきなのだ。
そう、あれは何年前だったか……急に黒い雨が降り出したのは。
黒い雨は生態系を壊した。
極僅かな放射線を含むそれは、生物を変質させた。
しかも、悪性的に。
形が変わるとか、そういうレベルではないのだ。
火を吹くような生物は、生物というより悪魔がふさわしい。
遺伝子そのものが変質しているので、彼等は子孫を残さない。
それはきっと生物の定義の外側の存在だ。
彼等は見境なく動くモノを襲う。
彼等の存在は人々の恐怖を煽った。
加えてこの黒い雨。
人々は心を情景的な面で締め付けられる。
そんな中、つい最近、この町が壊滅したのだ。
原因は不明。
いや、皆分かっている筈なのだ。
悪魔の仕業だと。
ただ、調べてそれを発覚させるのが恐いから、誰も調査をしないのだ。
ここは、そんな場所なのだ。
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