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その笑顔をみていると何だかうれしい気持ちになる。
「拓也?」
気が付けば亜希はとても不思議そうな顔をしてこちらをみていた。「どうかした?」
「いや、なんでもない。」亜希の心配を軽く流して、俺達は再び歩き始めた。
「向こうの歩道に行くか」
「うん♪」
亜希は軽く賛成してくれた。
信号が青になって、俺達は一緒に歩みはじめた。 そして、その時は来てしまった・・・
道路の真ん中に来たとき、左のほうから大型トラックがスピードを上げてこちらに向かってきていた・・・
「亜希!!危ない!!」
その言葉と同時に強い衝撃が走り、僕は吹っ飛ばされた・・・
しかし、僕は無傷だった・・・。そのかわりに・・・目の前には血だらけになっている亜希がいた。
俺はそれをみた瞬間、とっさに亜希の元に駆け寄った。
「亜希!!亜希ーーーー!」
俺は何度も何度もその名を呼び、叫んだ。
その時、かすかに亜希の指が動いた。
「・・・拓也」
口元だけが動いてる。
俺は亜希の口元に耳をあてた。
「拓也に・・会えてよかった・・・」
俺の目からは大粒の涙が限りなく流れていた。
「泣くなよ・・・男だろ・・・」
「・・・」
「最後に・・・なるかもしんないから・・お願い聞いて・・」
「・・・」
「キス・・して」
僕は無言のまま、唇と唇を重ねた。
そこで、亜希は・・・
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