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俺は目をあけた。そこは見覚えのある場所だった。
俺は左手にぬくもりを感じて、左を向いた。
そこには亜希がいた・・・。
俺は涙を必死にこらえた、
「拓也?」
気が付くと、亜希が不思議そうな顔でこちらを向いていた。
あの時と同じ・・・亜希だった・・・。
俺はこらえきれず涙を流した。
「え!?何で泣いてんの!?え!?・・・あう・・・もしかして私なんかした?」
「いや、気にしないで。」
俺は涙をあわてて拭った。
「泣くなよ・・・男だろ!」
「・・・」
そのとき、唇に温かさが戻った・・・あの時と同じ温かさだった。
「泣かないでね♪拓也♪」
「ああ。」
「行こ!♪」
亜希は手をギュッと握ってくれた。
亜希のほほえみが懐かしかった。
気が付くと信号が目の前にあった。俺は向こうの歩道にわたろうとした。「向こうの歩道にわたろっか。」
「うん♪」
亜希は賛成してくれた。
でも・・・ここが過去なら変えなければ。
信号が青になった。
「亜希!ストーップ!」
「え!?何で!?」
その時、目の前を大型トラックがもうスピードで走っていった。
亜希は唖然としてみていた。
信号が赤になって
青になった。
俺たちは歩きだした、
すると、また意識が薄れていった・・・
気が付くと、そこは老婆の居たはずの場所にいた。
左手には温かさがある。俺は左側を見た・・・
「どしたの?拓也。」
間違いなく亜希だった・・・。
亜希が・・・帰ってきた・・・。
俺は思わず亜希を抱き締めた・・・。俺は涙を流していた。
「何で泣いてんの!?」この声も、このぬくもりも、この鼓動も・・・
みんな・・・戻ってきた・・・。
俺は亜希を離した。亜希はとてもあわてていた・・・。
その顔を見て・・・亜希と口付けをした・・・。涙の一滴が、亜希の頬を伝わった・・・。
「行こっか♪」
「ああ。」
もう二度と・・大切な人を失わない。そう心に誓って・・・
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