聖なる夜の奇跡

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そこに救急車が来た。 拓也が担架で運ばれている。私も救急車に乗った。私は拓也の名前さえも呼ぶことができなかった。 病院に着いた。拓也が手術室に運ばれていく・・・私は手術室の前の椅子に座った・・・ 手術室から先生がでてきた。 私は少しの可能性を信じて先生に尋ねた。 先生は首を横に振った・・・ 私は嘆き泣き続けた。 気付けば涙は枯れていた。私はトボトボと家に帰った。 翌日学校に行くと、拓也の机に花が添えてあった、机に突っ伏す私を友人が励ましてくれる。 だけど、私には皮肉にしか聞こえなかった。 学校の帰りに久しぶりに拓也と一緒に帰っていた帰り道を歩いてみた。 一歩踏み出すごとに涙が出そうになる。 「そこのお嬢さん。」 私は声のしたほうを見た。 そこには一人の老婆がいた。 その老婆は黒い薬を私に勧めてきた。 私はその薬を飲んだ・・・とたんに頭に激痛が走った。 「あああぁぁぁぁぁ!!」 気付くとそこは見覚えのある場所だった。 隣には拓也がいた。 前みたいに寂しそうな顔をしていた。 私はうれしくてたまらなかった。 私は拓也の顔を覗き込んだ。 「どしたの?」 すると、拓也は笑顔になって、 「なんでもないよ。」 そういってくれた。 私は浮かれていた。 信号が青になった。 大型トラックが左側から突っ込んできた。 しまった! 「拓也!危ない!!」 私は拓也を突き飛ばした。 そして私は声にならない激痛を感じた・・・ (ページ1に戻り、ページ6で終わる)
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