血の招待メール

1/1
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

血の招待メール

 痛ッ……、  また叩かれて、その衝撃に携帯電話が手を離れる。 「なに時間稼いでるんだょ、早くメール打ってくれる?」 「ご、ごめん……なさい」  口の中に広がる血の味を確かめながら、横目で彼女を見る。  痛い……。  なんでこんな事するんだろう。こんなに苦しんでも、助けは来ない。来るわけないのに、僅かな希望はある。  先日、一通の手紙をある機関に差し出した。  インターネットの情報を引っ掻くように探り出した裏の機関。  それは……。  その瞬間、鈍い音と共に自分の悲鳴が部屋に響いてた……  妙に鈍器じみた衝撃が頭頂部を駆ける。  体から力が抜けて、目の前がブラックアウトした……。  気は失っていない。 「ボケェッとしてんじゃねぇょ……。困るんだょな、早くみんなに贈るんだょ……。血の招待メールをぉッ!」  目は見えてなくても分かった……悪魔はニヤリと笑ったことが。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!