7人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
血の招待メール
痛ッ……、
また叩かれて、その衝撃に携帯電話が手を離れる。
「なに時間稼いでるんだょ、早くメール打ってくれる?」
「ご、ごめん……なさい」
口の中に広がる血の味を確かめながら、横目で彼女を見る。
痛い……。
なんでこんな事するんだろう。こんなに苦しんでも、助けは来ない。来るわけないのに、僅かな希望はある。
先日、一通の手紙をある機関に差し出した。
インターネットの情報を引っ掻くように探り出した裏の機関。
それは……。
その瞬間、鈍い音と共に自分の悲鳴が部屋に響いてた……
妙に鈍器じみた衝撃が頭頂部を駆ける。
体から力が抜けて、目の前がブラックアウトした……。
気は失っていない。
「ボケェッとしてんじゃねぇょ……。困るんだょな、早くみんなに贈るんだょ……。血の招待メールをぉッ!」
目は見えてなくても分かった……悪魔はニヤリと笑ったことが。
最初のコメントを投稿しよう!