🍁告白🍁

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「九重…」 ジッと見つめられる。 普段より真剣な雰囲気の漂う先輩の姿に、私はいっそうドギマギしてしまう。 うわぁ…先輩の顔がこんな近くに……近くに……って、あれ? 沢口先輩の顔が、鼻と鼻が触れ合うほど接近している。 ちょっと、まさかコレって――― 「っ!?」 気づいた時には、沢口先輩の唇が、私のモノに重ねられていた。 ―――な、ななな!? 一瞬、遂に妄想が爆発して幻覚でも見ているのかと思った。 こりゃ末期だな…あはは。 そう自分を誤魔化してみたが、押し当てられた柔らかい唇の感触は、やはり本物である。 ちょ、私…先輩とキスしちゃってる!? 沢口先輩の顔が離れる。 再び目を開き、そして、真っ直ぐに私を見据え――― 「お前が好きだ、九重」 いつものハッキリとした口調で、そう告げた。 ……すき? すき、スキ、スキー、スキヤキー。 マテ、落ち着け私。 冷静になれ、心を静めよ。 …………。 ……よし、落ち着いた。 で、すき……好き? 誰が? 先輩が。 誰を? 私を。 なぁんだ、あはははは……………………は? 「…えっ、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」 驚きのあまり、喉の奥から叫び声が噴射する。 聞き間違い!?聞き間違いですか!? 今沢口先輩が私のコト好きって言ったようにキコエタンデスケド!? 思わず後ずさる私……の肩を、沢口先輩にギュッとつかまれる。 「ずっと、好きだったんだ……俺の彼女に……俺のモノになってくれ!!」 後頭部を、殺害専用の釘バットで殴りつけられた気がした。 先輩の言葉を脳内で慎重に噛み砕き、分析し、今度こそ理解する。 つまり、私がずっと憧れていた沢口先輩は、私のコトが好きで、今まさに告白されていて……私の、答えを…待っている?
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