🍁発覚🍁

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黒板に目をやれば、そこには白いチョークで、デカデカと殴り書きされた文字。 『九重キモス』『学校来んな!!』『クズ女』『死ねばいいのに』 一つ一つ言い上げていけばキリがないくらい、黒板を埋め尽くす白。 その全てが、私への中傷だった。 そして私の席には、まるでゴミ箱の中身をそのままひっくり返したように、破れたプリントや汚らしい紙パックが散らばり、ゴミ山のオブジェが出来上がっていた。 「――――――」 誰も、何も言わない。 ドアの前で唖然と立ち尽くす私の様子を伺うように、チラチラと目を向けてくるだけ。 隣の席にいたはずの澪は、あからさまに私を無視して、他の友人たちとお喋りに勤しんでいた。 私を、拒絶するように。 「…………。」 目眩がする。 どこで、何を間違ってこんな状況になってしまったのだろう? 夢だと思いたかったが、この胸の痛みは紛れもなく現実。 私が、クラス中から嫌われているという事実を表しているのだ。 とりあえず、机、片づけなきゃ…。 ショックによって停止しかかった思考の片隅で判断を下す。 ここでこうして固まっていたところで、状況は何も変わらない。 足を踏み出す。 普段通り、授業前のざわめきに包まれた教室を、夢遊病のようにフラフラとした足取りで進んでいく。 だが、座席の間を通ろうとした瞬間、 「―――あ、」 何かに躓いた、と理解した時には既に遅く、私の体は前のめりに傾き、顔面から倒れ込んでいた。 冷たい床に、思い切り鼻を打ちつける。 じんわりと、鈍い痛みが広がった。 「はは、ダッサー!コイツ、マジキモいんだけど!」 頭上から、甲高い声が降ってくる。 考えるまでもなく、佐藤のものだ。 そこでようやく、私は佐藤に足を引っかけれたのだと気づいた。
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