🍁発覚🍁

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「鼻潰れた?余計ブスんなったんじゃない?あ、ゴメン、それ以上は無理かぁ~」 鼓膜を揺さぶる、忌々しい猿の鳴き声。 振り返れば、単細胞生物に相応しい面をしたモノが、私を指差してケタケタと笑っている。 その行動が、態度が、顔が、髪が、ピアスが、化粧が、存在そのものが。 私を嘲っているようで、堪らなく不愉快。 吐き気がする。 私…こんな下等生物に、なんでやられっぱなしになってるの? 身体を起こし、ゆっくりと立ち上がる。 我慢する必要なんて、ないじゃない。 口元に薄ら笑いを浮かべつつも、私が近づいてくることに、戸惑いの色を見せる佐藤。 そんな彼女の横っ面を、握りしめた左手の拳で、私は力いっぱい殴りつけた。 「きゃ!?」 ガタァン、と。 衝撃をモロに受け、椅子ごと床に倒れ込む佐藤。いや、サル。 右頬を押さえ、何が起きたのか理解できないのか、目を白黒させている。 隣にあった椅子をつかみ取り、思い切り振りかぶる。 「ひ…、ひい……」 手を突き出して、怯えるように後ずさるサル。 ふん‥ようやく、反撃を受けていることに気づいたか、低知能。 私の予想外の行動に、教室中が息を呑んで、この光景に見入っている。 あはは。 まさに下克上の絵だね、これ。 「ちょ、やめてよ、待っ――――――」 許しを請うサルの頭へ、容赦なく椅子を振り下ろす。 鉄の脚が、染め上げた気持ち悪い金髪の頭を強打する。 悲鳴を上げながら、悶えるサル。 その姿はひどく滑稽で、私は思わず笑いを漏らしてしまった。 溜まりに溜まっていたものが、凄まじい奔流となって一斉に溢れだしてくる。 ストッパーの壊れたような、歯止めの効かなくなった…それでいて妙に爽快な気分。 要するに、私はブチ切れているわけだ。 再び椅子を振り上げ、叩きつける。 何度も、何度も、何度も。 床を転がって悲鳴を上げ続ける佐藤が本当に惨めで、可笑しくて。 私は単調だが楽しい作業を、延々と繰り返す。 驚いて入ってきた担任に止められるまで、私は怒りに身を任せ、その行為を楽しみ続けた。
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