🍁発覚🍁

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「うん、その………こんなこと、知りたくないかもしれないんだけど」 床を見つめながら話す紺野君。 何やら、随分とお悩みらしい。 「…とりあえず話してみれば?私と一緒にいるトコ、他の人に見られたくないなら」 「え、い、いや…そんなことは…」 慌てて否定する彼。 図星らしい…というか、分かりやす過ぎ。 「別に誤魔化さなくていいから、早いとこ本題に入って。…ああもちろん、紺野君から聞いたなんて言わないから」 「…………。うん……じゃあ、落ち着いて聞いて欲しいんだけど…」 その約束に安心したのか。 彼はホッと胸を撫で下ろし、数秒の間、躊躇うように何度か口の開け閉めを繰り返した後、何故か私を気遣うような目でこちらを見つめ、 「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。」 「………は?」 一瞬。 告げられた言葉の意味が、理解できなかった。 「う、うそ、なに言ってんの?そんなことあるわけ…」 だが、彼は首を左右に振る。 「本当だよ…。僕、見ちゃったんだ」 私を哀れむ紺野君の瞳は、決して嘘をついていなかった。そして何より、彼自身が非常に辛い表情をしているのがその証拠。 だが――― 「…そん、な………だって、なんで?」 信じたくなかった。 否定したかった。 何かの間違いだと、叫びたかった。 そんなことはあり得ないと、笑い飛ばしたかった。 「…九重さんに教えるべきか、僕も迷ってたんだ。…でも………もう、黙って見てられなくて…」 そう続けながら、再び机の落書きへ視線を落とす紺野君。 この嫌がらせだけではなく、他の行為も指しているのだろう。 そんな風に私を気遣う彼の配慮が、それが真実であることを物語っていた。 「……昨日、たまたま忘れ物を取りに戻ったら、丁度現場を―――――」 「嘘っ!」 無理やり彼の話を遮る。 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! だって、そんなのおかしいじゃない! 踵を返しながら雑巾を放り捨て、私は教室を飛び出した。
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