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三日後。
私は澪の件を口実に、沢口先輩と別れていた。
更に念には念を押し、メールは全て着信拒否、可能な限り先輩との接触を避けるため、部活も辞めてしまった。
あんな最低人間の顔なんて、思い出すだけでも腹が立つ。
沢口先輩さえいなければ、私と澪がこんな風になることもなかったのだ。
私は本気で先輩を呪い、恨んだ。
が、それは何の解決にもならず、澪のイジメはエスカレートする一方だった。
机には、今度は消えないよう彫刻刀で落書きが彫られ
美術の授業で使用する筆は、一本残らず綺麗に折られ
昼食時には、いきなり牛乳やコーヒーを頭にぶちまけられた。
少し席を離れれば、鞄や教科書は大抵ズタボロにされてしまうので、私はそれら全てを常に持ち歩かなければならない。
体育の授業から戻ると、決まって私の制服はゴミ箱やトイレに投げ捨てられ、佐藤たちに汚らしいだの臭いだのと言われるため、体育は必ず見学。無論、吉永先生には怒られる始末。
げた箱は何が入っているのかが怖く、最早開けることも叶わない。毎日上履きの持ち帰りを繰り返していた。
それらのほとんどが澪による犯行。
元々得ていた人望を利用し、クラスメート全員のシカトも続けさせている。
誰も味方はおらず、私は本当に独りぼっちになった。
教師もそれに気づいていながら、手を差し伸べるようなことはせず、見て見ぬフリを貫き通している。
そんな私を罵倒し、嘲笑う澪に、容赦という言葉は存在しなかった。
そして、今日も――――――
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