🍁ユイイツノミカタ🍁

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その言葉に嘘は感じられず、あくまで純粋に私を心配してくれているのが伝わってきた。 ココアの温かさのせいだろうか。 紺野君の言葉は、とても心地の良いものに聞こえた。 「それに僕は……九重さんが学校で虐められたりしても、助けてあげることすらできない臆病者なんだ。九重さんの気持ちなんて、勝手な解釈でしか理解できない」 彼の表情は穏やかで、沢口先輩のように“良いところを見せよう”とか“オマエの気持ちはよく分かる”などの善人ぶりは微塵もない。 所詮他人事だから、そんな考えなだけなのかもしれない。 「自分が虐められたくないから、いつだって見て見ぬ振りしちゃうんだ。だから、こんな事くらいしかしてあげられない」 手元の缶に視線を向ける。 コレのことだろう。 つまり…こっそりと励ますくらいしか、できないと。そう言っているのだ。 ……でも。 たとえそんな小さな優しさだとしても――― 「ただ、これだけは知っておいて欲しいんだ。僕は九重さんを庇ってあげられないヘタレだけど……キミを護る、なんてカッコイい台詞は言えないけど。………一応、九重さんの味方でいるつもりだから」 それでも…私を気遣ってくれる人が…、私の存在を許してくれる人がいて。 控えめではあるけれど、ちゃんと私を見てくれていた人がいることを知って。 私は独りぼっちじゃないと、理解できたから。 だから………それが本当に嬉しくて。 気づくと、目頭が熱くなっていた。
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