🍁ユイイツノミカタ🍁

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▼ ベッド脇のライトが、小さなホテルの一室を薄暗く照らし出す。 マットの床には、私の脱ぎ散らかしたブレザーやスカートが転がり、隣にはキチンと折り畳まれた彼の制服があった。 「…本当に、いいの……九重さん…?」 そんな部屋の中央に設置されたベッドの上。下着姿で座る私へ、紺野君は不安そうに尋ねてくる。 こんなときまで遠慮がちな彼の態度に、思わず僅かな微笑が漏れる。 私は無言で頷きながら下着を剥ぎ取り、一糸まとわぬ姿になる。ちっとも膨らみのない胸が露わになった。 「……慰めて…お願いだから」 懇願しながら、困惑する紺野君に、自分から唇を重ねる。 不安や恐れといった感情はない。思考が麻痺し、自分がどんな行為をしようとしているのか…そんな恥ずかしさも感じない。 溢れ出してくるこの気持ちの正体が掴めない。しかし、全く気にならない。 もう、何もかもがどうでもよかった。 今はただ、優しく抱きしめて欲しかった。慰めて欲しかった。 …ボロボロになった私の心を、とにかく癒やして欲しかった。 「……ちゅ……んっ…ふ…」 「…ン、…ぅ……く…」 激しく、互いの舌を貪るように吸い付き、舐めまわす。寂しくて悲しい気持ちを紛らわすために、強く、強く。 一方的な感情をぶつけているだけ。 その自覚はあるものの、それを押し止めるだけの理性はない。 そんな私の気持ちに応えようと、懸命に抱きしめてくれる紺野君。 それが、私の存在を認めてくれているようで。それがとても嬉しくて。不覚にも、また瞳から涙が零れ落ちた。 唇を離す。 互いの間に引かれた、唾液の糸が光る。 「………九…のえ、さん…」 「いいから…。お願いだから、最後までして欲しいの……」 控えめに覆い被さってくる紺野君を、私の方から抱き寄せるようにして受け入れる。 全てから見捨てられた自分を見てくれる、唯一の味方。 優しい彼の温もりに、心が癒されていくのを感じながら、私は幸せな気持ちで目を瞑った…。
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