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「新しいお父さん!?見たい、僕見てみたい!」
両手をバンザイの形に上げ、隆は無邪気に喜ぶ。
「ええ、今度ウチに来てもらうわ。紅葉や隆くんにも、ちゃんと会って決めてもらわなきゃいけないものね」
ニコニコと穏やかな笑みを浮かべ、心底幸せそうに目を細めるお母さん。
そんな二人の態度に、私は半ば呆れつつも、まあいいかって気持ちになっていた。
ぶっちゃけ、お母さんを本気で愛していて、あの父親のように家族を捨てない男なら異論はないし。
それに…。
と、私は楽しそうに笑うお母さんと隆を見やる。
「いつ!?いつお父さんができるの!?」
「その人の都合でね、結婚するのは来年の三月頃になりそうなの。でも会うことはできるから、明日にでも来てもらおうかしら」
「やったぁ!!」
この温かい光景がいつまでも続くなら、私は全然構わない。
私は生まれて初めて、これらの幸せを授けてくれた『神様』という奴に感謝した。
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