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Opening Side Raiden
金色の代行者
吸血鬼、ライデン・ジョニーは主、ルー=サイファーに謁見の間に呼び出されていた。
「この度の任務、ご苦労だった」
「はっ。有り難き幸せ」
跪き、頭を下げるライデン。
「しばしは休んで貰うが、その前に次の任務について話しておこう……」
「はっ」
「日本のとある地方に、ある魔獣が封じられている……」
「はっ……魔獣というとあの百魔獣の王というヤツですか!? あの、一兆度の火炎を吐く、ゼッ○ンとか言う!」
興奮しながら話すライデン。
「まさか、あの山岳地帯で眠っているという……灼熱魔獣、十万度の火炎を放つということですか? 確かヤツは宇宙にある魔獣墓場に運ばれているはずですが……」
「……お前が言っている事はよくわからんが……とりあえず、その魔獣ではない事は確かだ」
あきれ気味にルー=サイファーは答えた。
「なるほど。や、やはり伝説のウィザードが作り出した魔獣ではないということですね……」
聞こえない程度の声でぼそっと「ちょっとがっかり」とライデンは愚痴った。
「ともかく、この魔獣だが、とある家系が定期的に封印を施しているらしくてな」
「はっ」
「封印が解けたとしたら、それなりの力を発揮するようだ。それこそ、魔王に匹敵するかもしれん」
「やはり一兆度の……」
「それはもういい。そして、その力を我々のものとしても有用なものとなる」
「はっ」
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