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「動くな」
もう駄目だと思い、優華が抵抗するのを諦めようした瞬間、突然別の声が聞こえてきた。
三人は動きを止め一斉に同じ方向を見た。
その隙に優華は緩んだ手をはねのけ三人から遠ざかる。
そして優華も声の主を見る。
「君達三年だろ?こんなとこで何やってんだ?」
浅倉がそこに立っていた。
「なんだテメェ」
「お、おい!あいつに喧嘩売るな!」
「は?」
三人の中で最も体格のよい190はあろうかという大男が浅倉を睨みつける。
「だってあいつ洋介をボコボコにした奴だぜ?」
「は?洋介って俺らのクラスのか?」
「そう、あいつ一週間前から大怪我をして入院してるだろ?」
「あぁ。車にはねられたって」
「ちげえんだよ。あいつに返り討ちにされたんだよ」
先ほどまで浅倉を睨みつけていた男の目がだんだん恐怖の色に染められていく。
そのうち声まで震えてきたようで、最終的には黙り込んでしまった。
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