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「んなこと知るか!」
そう言って一人が浅倉に飛び掛る。体格のよい男でもなく、洋介のことを知っていた男でもない。
飛び掛ろうとしているのは右手に怪しげなものを持っていた長髪の男だった。
今はその怪しげなものもその正体を露にしている。
『スタンガン』
先端では蒼い電気が凄い音をたてている。
スタンガンをもった長髪男が浅倉に突っ込む。
浅倉は怯える様子もなければ逃げる様子もなく、向かってきた男のその攻撃を難なくかわし、そのかわし際左足で男の腹部に蹴りを入れる。
その様子を見ていた残りの二人は何を思ったのか挟み撃ちのようにして一斉に殴りかかった。
そんな攻撃ももろともせず対抗している浅倉はまず体の小さいほうの顔面を殴り、その胸倉を掴んでもう一人に投げつける。
相手はそれをかわしたが、よけられるのを知っていたのか、相手が浅倉の攻撃をかわした瞬間、背後に回って相手の首を絞める。
「す、い、ませ、んで……ごほっごほっ」
浅倉はその男を投げ捨て、三人を睨んだ。
「こんどこの子に手をだしたらそんとき君達殺すよ?」
そう冷たく言い放った後、彼は優華に近づいて行く。
「大丈夫だった?」
浅倉は優しく微笑んだ。
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