浅倉修司

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 頬に触れるやさしい手。  彼女は春の日差しのような暖かい眼差しで優華を見つめている。 「ママ。今日はどこに行くの?!」 「お仕事よ。早く帰ってくるからいい子にしてるのよ」  彼女はそっと優華からはなれ、家から出て行った。 「ママ!」  どこかに行ってしまいそうな彼女を一生懸命に追いかけた。  短い足で小さい体で一生懸命追いかけた。 「ママ!」  か細い声で弱々しい声でそう声を上げた、刹那。
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