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優華はそっとベッドからおり、部屋を出た。
喉が乾いた。
音がしないように階段を下りるとリビングから明かりが漏れている。
リビングを覗くとソファーで結衣が寝ているのが目に入った。
ゆっくりとソファーに近づいた優華は彼女の体を揺らした。
「お母さん。起きて!」
「……ん……おはよう優華ちゃん。もう朝?」
結衣はゆっくり起き上がるとキッチンに向かって歩き出した。
「いやいや。まだ夜中の1時だから!ソファーで寝てると風邪ひくよって」
「また寝ちゃったのね。ありがとう優華ちゃん。優華ちゃんも早く寝るのよ。おやすみ~」
彼女はそういってリビングを出て行った。
優華は冷蔵庫からミネラルウォーターをとりだしコップに注ぐ。
結衣は優華にとって二人目の母親で、真哉の元同僚である。実の母親が死んでから一年が過ぎた時、真哉は結衣と結婚した。
初めのうちは優華は結衣になつくことはできなかったがそのうち寂しさから逃れたいがために彼女に心開いたのだ。
死んでしまったお母さんが生みの親なら、今のお母さんは育ての親だろう。
だけど生みの親でも育ての親でも私には関係ない。
結局二人とも私の親なのだから。
優華はそんな事を考えながら水を一気に飲み干した。
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