浅倉修司

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 窓から注ぎ込むやわらかい光が全身を包み優華は目覚めた。  起き上がり着替えをしようと胸に手を当てると普段となにかが違うことに気がつく。  足はすこし肌寒いし、微妙に動きづらい。  ふと目の前にある鏡に目をやると制服姿のままの自分が映っていた。  ……昨日そのまま寝ちゃったんだっけ。  思い出すと同時にシャワーを浴びたくなった優華は、ゆっくりと階段を下りた。  時刻は6時。  登校までにまだ時間はあるため、シャワーを浴びる時間は十分にある。  洗面所で制服と下着を脱ぎ、風呂場に入った。 そういえば……。  優華は昨日の事を思い出し、なんだか気持ち悪くなって普段より若干強く体を洗った。  ふと窓を見ると何かがぎろっと動いた。  湯煙ですぐにはその正体がわからなかったのだが目を凝らしてみるとそこに一人の男が立っていることに気づいた。  その男に優華は見覚えがあった。  昨日学校で優華を襲おうとした長髪の男だった。  パシャ  そして何かが光った。
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