プロローグ

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「優華!」  晴れ晴れとした気分で歩いていると後ろから突然声がした。  聞き覚えのあるその声に振り向くと、その声の主はゆっくりと優華に近づく。  新学期早々に会えるなんて私結構ラッキーかも。  自分でもわかるくらい優華はにやけていた。 「おはよう。今日は早いんだね」 「和也のほうこそ、今日はなんでこんなにはやいの?」 「え?早く学校に行けばその分早く優華に会えるかなって」  和也はきれいな歯をみせて笑顔で言った。  優華はそんなまぶしいくらいの笑顔、つまり、大好きな人の笑顔を直視できるはずも無く、さっと目をそらした。
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