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「嘘ばっかり。どうせまた先輩と待ち合わせでしょ?」
「ばっ、違うから!すぐそういう事言う。あれは誤解だって」
「ま、和也が誰といようが私には関係ないし」
「優華……」
いつものように和也の言い訳を軽くあしらった優華だったがこの手の話は内心気になって仕方がなかった。関係だって大有りである。
優華は焦った顔を見られまいと早足で歩く。
いつもはそのまま微妙な距離を保ちながら学校へ登校するのだが、この日和也はぐっと優華の腕を引っ張った。
いつもと雰囲気の違う和也に戸惑いながらもこの沈黙が破られるのを優華も黙って待つ。
少しの沈黙の後、和也は意を決した表情で言葉を発した。
そしてこの言葉は沈黙を、そして優華の片想いを終わらせる言葉となった。
「今日こそは言わせてもらうけど俺が好きなのは優華、お前ただ一人だ」
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